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第5話
今日はあの人の部屋で、あの人は3人がかりで犯されていた。
今日は一緒にではなく、一人一人が順番で。
茶髪先輩は来なかったが、短髪は相当な理由がないかぎり、絶対に来る。
でも、二人きりにはさせないルールがあるらしく、短髪が必死であの人を犯している時も、他の二人はそれをじっと見ていた。
いつものオレのように。
あの人を見ながら、抜きながら。
そう、オレこそが絶対に来る。
短髪よりも、絶対に。
短髪は恋人気取りであの人を犯していた。
夢中でキスをしながら、その身体を独り占め出来ることに喜んでいた。
キスしながら、夢中で腰をふる。
「先輩、先輩ここ好きやろ?ほら、オレがここ突いたら・・・中痙攣するんしってんねん」
執拗に一カ所を短髪はなぶる。
ああっ
ふうっ
ああっ
あの人は身体を痙攣させる。
「可愛い・・・オレ知ってんねん、どこどうしたら先輩か喜ぶんか。なぁ、こうされるのも好き、やろ?」
脚を担ぎ上げ、奥深くで腰をゆっくりと回し続けた。
ええっ
それ、すきぃ
あの人が何かを掴もうとすらかのよつに宙に手を伸ばす。
その手を掴みながら短髪はゆったりと重く腰をつかった。
あの人の勃起したままの性器が揺れて、ボタリと白いモノが零れた。
「ええでしょ?オレ、先輩が好きなことなら何でも出来んねんでもう・・・なぁ、先輩」
執拗に重く腰を揺らす。
ひぃ
あの人が喉から呼気をこぼす。
「 」
見ていた仲間の一人が宥めるように短髪の名前を呼ぶ。
だけど、短髪は止まらなかった。
「オレでええやん・・・なぁ、先輩、オレでええやん・・・オレがいっぱいしたるなぁらオレだけにしてや」
深くえぐるような重いストロークを繰り返す。
あっ
ひっ
あの人は呼気をもらして、白目を剥いた。
「好きや・・・好きやねん」
切ない声で短髪は叫んだ。
「 !!止めろ!!もう言うな!!」
見ていた仲間が短髪の名前を怒鳴った。
短髪は泣いていた。
腰を強く突き上げた。
中で射精したのがわかった。
ああっ
イクっ
イクっ!!
あの人は、性器から迸らせた。
「オレだけにしてやぁ!!」
短髪が泣きながら抱きしめる。
ムカつきながら、でもその痛みをオレは理解する。
わかる。
わかるのだ。
「・・・もう来る・・・な。オレに二度と触る・・・な」
あの人は珍しく抵抗した。
短髪の身体から自分を引き剥がそうとする。
「嫌や!!」
怒鳴りながら、あの人を押さえつけ、腰を送り込もうとした短髪を引き剥がしたのはほかの二人だった。
「出ていけ」
「終わりや」
でもその二人の声は悲しそうだった。
「嫌やぁ、離れへん、離さへん!!」
短髪は泣きわめく。
「コイツが嫌なら止める。そうやなかったら・・・お前がするんは強姦や」
宥められ、短髪はあの人の肩から手を離した。
「好きなんや。好きなんや・・・中学の時からあんただけや・・・」
裸のまま、性器に射精したコンドームをつけたまま、全裸の男二人に拘束される短髪の姿は笑えるものであるはずなのに全く笑えなかった。
「知ってる・・・ごめんな・・・だからや・・・もう止め?」
あの人の声は優しかった。
「今日は帰れ」
言われて、短髪は泣きながら、でも服を着始めた。
コンドームを外してないことに誰も突っ込まなかった。
短髪は泣いていた。
子供みたいにないていて、深く傷付いていた。
「ごめん」
あの人をは言った。
自分を短髪から引き離すために抱きしめているヤツのモノに手を伸ばし、擦りながら。
「ごめん」
男の唇に向かって舌を伸ばしながら。
「ごめん・・・」
言いかけた言葉は、あの人の舌が男の舌と絡み合って飲み込まれた。
ごめ・・・
ごめん・・・
あの人はそう喘ぎながら、違う男と身体を絡み合わせ始めた。
ええっ
ああっ・・・
セックスが始まる。
短髪は吠えるように泣いて、部室を飛び出していった。
オレは困ったように残ったもう一人を見た。
「ええんや・・・あれでよかったんや。あれでやっと・・・逃げられる」
その人は苦しげに言った。
そして、コンドームをつけて、違う男に愛撫されているあの人の穴に突っ込むためにあの人にのしかかっていった。
ああすげぇ
めっちゃええ
やっぱりすごいやん
男が呻く
もっとしてぇ
あの人が欲しがる。
淫らな光景。
でも、オレにだって彼らが限界を迎えていることがわかってきた。
もう、こんなことは・・・続けられなくなってきているのだ。
いつものようにあの人を綺麗にした。
父親は違う家で新しい家族と暮らしているのだとあの人は言った。
一人だけの家。
たまに乱交に使われるだけの。
あの人をベッドに横たえ、パジャマを着せてやる。
あの人はされるがままだ。
短髪がつけた痕が全身に残る。
アイツは自分のモノにしたいから、いつも沢山痕をつける。
「オレを酷いヤツやと思うか?」
ポツリとあの人が言った。
短髪がつけて痕を撫でながら。
「・・・あんたらが選んだことに口出されへんよ、オレが」
オレはあの人の髪を撫でながら言う。
気持ち良さそうにあの人は目を閉じる。
「親友や・・・可愛い後輩や優しい仲間を巻き込んで。一人で堕ちるつもりやったんやで・・・一人で堕ちて死ぬつもりやったんや」
あの人は囁く。
「オレもそこまで最低やないんや・・・」
苦しげな声やった。
「なぁ・・・頼まれてくれん?」
あの人はオレを見上げた。
「オレにしろって言うんか?」
オレはあの人が言いたいことがわかった。
あの人が笑った。
「そうや・・・お前にして欲しいねん」
あの人は残酷にオレを誘う。
オレだから。
茶髪先輩や短髪の方がオレより好きだから、あの人達に頼めないから。
まだオレのことなんて全然好きじゃないから。
酷い。
酷い。
「あんたホンマに酷い男やな・・・」
オレは呻いた。
「もう、お前にしか頼めへん。・・・お前以外とはもうせんで?なぁ?」
甘く誘われた。
かすれた声が何かに似てると思っていた。
そうか。
波や。
波の音に似てる。
誘われるような繰り返し方が。
「お前だけのもんになる・・・お前が最後にする・・・お前以外とはせんから」
あの人の腕が首にからみつく。
藻が絡みつく。
水底に縛り付けられる。
光もない深い海の底に引きずり込まれる。
「お前だけのもんになるから・・・して?」
あの人に囁かれ、オレは最後の息を吐き出した。
海水が肺に入ってくる。
苦しい。
苦しい。
苦しい。
拒めるものではなかった。
本気であの人に望まれたなら。
したくなんか無かった。
でも、そうするしかなかった。
オレはベッドに横たわるあの人を抱きしめた。
唇も何もかもが甘かった。
唇の柔らかさと甘さに溺れた。
見ているだけだった唇を思いのままに吸った。
茶髪先輩がしていたみたいに甘く噛み、短髪がしていたみたいに舌を出させて舐めた。
舌を噛んで吸った。
色んなヤツにさせていたことさえ、これからオレだけのモノなのやと思えば、興奮する材料にしかならへんかった。
「もう、オレだけ?」
オレは囁く。
夢中であの人のそこを扱きながら。
みんなが触っていたそこは、もうオレだけのモノで。
硬くなっていく。
ずっとしたかったことをした。
咥えて舐めた。
他の奴らがしていたのを見ていたけれど、もうオレだけのモノだ。
形を舌でなぞり、唇で扱く。
そうしたくてしたくてしかたがなかったのだ、ずっと。
しゃぶり続けたなら、あの人が身体を震わせ、出した蜜を味わい、またなめる。
ああ
ええなぁ
気持ちええ
あの人の唇が開き、水泡みたいな喘ぎ声が部屋に満ちた水の中に漏れる。
オレ達がいるのは水の底だ。
引きずり込まれるたのはオレなのに、溺れているのはあの人だ。
こっちもたくさん吸うて
こっちも舐めてぇや
乳首を自分で弄りながらあの人が言った。
その淫らさに唾をのむ
乳首を舐めて吸って口の中で溶かした。
存分に味わった。
そこだけでイけることはもうしっていた。
短髪が吸った痕を、自分のつけたもので消し去ることに夢中になった。
「もう、お前だけ・・・やから・・・」
あの人は今日も散々男達に嬲らせてきたそこを脚を広げて見せつける。
腫れたそこが慣らさなくてもオレのを飲みこむのはもう解っていた。
指で広げて、あの人が見せつける。
「ここに挿れて・・・そして、お前だけにしてや・・・」
オレはその言葉に逆らえるはずもなかった。
オレはコンドームをつけてないまま、そこに突き立てた。
散々他のやつらに嬲られたそこは柔らかくオレを受け入れていた。
すぐに出してしまったけど、硬さは変わらんかったからすぐ問題なかった。
むしろ、濡れて動きやすくなっただけやった。
オレ以外に散々苛められたそこが、でもオレの精液だけを受け入れているのが嬉しかった。
穴みたいな目。
何にも映さない目。
それを覗き込む。
茶髪先輩や短髪達とはオレは違う。
オレがどうしようもなく惹かれたんは、こうなってしまってからの、こうしてるこの人やった。
暗い水底に沈んでいるみたいな。
「・・・して」
あの人が甘く囁く。
オレは頷く。
「・・・して」
あの人は嬉しそうに言う。
してやる。
全部してやる。
あんたのためだけに。
乱暴に突き立てた。
あの人達がしないほど、乱暴に。
両手で喉を締めてやった。
呼吸器をわずらうあの人の息が止まる程。
血が出る程乳首を噛んで。
あの人が本当に望むものを与え続けた。
苦痛を。
溺れた。
溺れた。
あの人に溺れた。
また、中に出した。、
あの人が笑った。
ああ、ええ。
ホンマにええ。
・・・して?
お願い・・・。
オレはまた乱暴に腰をぶつはじめた。
あの人が望んでいたから。
あの人の身体が白くなり、呼吸がとまりかけるまで。
ああ
ええ
ホンマにええ
あの人はそれでもそう言って喘ぎ続けたのだ。
「何でもしたる」
オレはそう言った。
もう、オレは・・・あの人の海から浮かび上がろうなんて思えなかった。
茶髪先輩みたいに、終わりについて考えられなかった。
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