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第4話 兄弟の性癖

「はい。俺もまずはそれからがいいかなと思っていました。じゃあこの後してみましょうか」  恥ずかしいので返事はしない。  貴臣は今度は足の指を一本ずつ摘んで、クルクルと回し始める。このまま眠ったフリをしたいが、許されないだろう。貴臣は一度やると決めたらやる。そんな男だ。 「ちなみに兄さんはどんな性癖を持ってるんですか」  ドキッとして、もうこの際喋ってしまおうかと油断したが、少し羞恥もあって誤魔化した。 「んー、貴臣は?」 「俺は性癖というか、可愛いひとが声を押し殺して感じてる姿を見るのは好きですね。言葉攻めして恥ずかしい思いをさせたいっていう願望もあります」  言葉攻めって。Sだな。  貴臣も思春期真っ只中の16歳で、エロに興味のあるお年頃だ。  この容姿と性格だし、それなりにキスやセックスを経験してきたんだろう。  それにしても、綺麗系よりも可愛い子が好きなのは意外だな。声を押し殺すってのは俺もそそられるけど。 「ははん。貴臣も実はそこそこ変態なんだな。そんなの興味ありませんって涼しい顔してる奴でも、やっぱそれなりにエロに興味はあるんだよな」 「それで、兄さんは?」 「……俺はー……」  貴臣はちゃんと答えてくれたので、俺も答えることにした。 「オナってるシーンとか、縛られて自由を奪われながらされてる、みたいなシーンを見るのは好き」  実は興味のあるHなことは沢山あるけど、特にこの2つはズバ抜けて好きだ。  まさか人に話す時がくるとは。  しかしなぜだろう。先輩の性癖がぶっ飛びすぎてて俺らの性癖なんて米粒みたいに可愛く見えるからだろうか、口に出してもさほど罪悪感を感じない。 「へぇ。自慰する姿を見るのが好きなところは先輩と同じですね。ならすんなり出来るんじゃないですか」 「まさか! 他人のを見るのが好きなだけで、自分のを見てもらうのとは話が違うよ。これから貴臣の前でしなくちゃいけないと思ったら、顔から火が出そうになるよ」 「大丈夫大丈夫。はい、マッサージ終わり」  貴臣はベッドから降り、部屋の灯りを消した。  すぐにデスクスタンドの電気を点けると、暗闇の中でそこだけが浮かび上がる。  俺もベッドの上で正座した。  貴臣の顔の片側にだけ光が当たって陰影を作っている。  いつも以上に凛とした表情で格好良く見える義弟と、これからの情事を思い浮かべると勝手に心臓がバクバク鳴った。 「では、どうぞ。俺に見せてください、自分で弄ってる姿」 「無理だよ、そんないきなり!」  はいどうぞ、ですんなりシゴけるのなら苦労しない。  ずりずりと尻で移動して少し距離を取ると、貴臣は柔和に微笑んだ。 「それもそうですね。ではこっちへ来てください。少し話をしましょうか」    貴臣が胡座をかいたので、背中を向けてその両足の間に座ってすっぽりと収まった。  背中と首筋に、貴臣の熱い体温を感じる。

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