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第25話 サメくんと兄弟*
「そんな風になるんだったら、コンビニなんて寄らなきゃ良かったじゃん」
「そうですね、本当にすみません。まさかあんな顔をされるとは思わなくて。思いの外、兄さんが感度良好すぎたので」
「俺のせい?」
「もう外で、あんな風に感じてたらダメですよ。俺見てましたからね。ドリンクコーナーのところで快感に浸ってるところ」
「浸ってねぇ」
「浸るなら、今は俺の前で。時期が来たら、先輩の前でどうぞ」
俺もわりと変態だというのがバレたところで、お互いの体を離した。
貴臣はもう俺を冷たく見下すことはしない。笑いながら、下着一枚と靴下のみの俺の下半身を見る。
「もうイきたいですか?」
「うん……ローター抜いて自分でしてもいい?」
目の前で自慰をした経験があるから、そんなハレンチなお願いも難なくできるのだろう。
もう一刻も早く解放したかった。下着のゴムに指を引っ掛け、ずり下ろそうとしたが貴臣に止められた。
「せっかくなので、後ろだけでイってみてください」
は、と声を出す間もなく、後孔の中が振動する。
3秒に1回強くなるパターンのにされて、身をよじった。
ひくんひくんと下肢が跳ね上がる度に、下着にまた新たなシミを作る。
「む、り……っ! 俺っ、後ろだけじゃイけないよ……っ」
「イけるイける。頑張って」
「ばかじゃねーの……っ」
めちゃくちゃ簡単に言うけど、そんなの無理だ。
俺だってできたらそうしたいけど、そこまでいくのに少しの刺激が足りなくて焦っているんだ。ペニスがジンジンと痛くてしょうがない。上下に擦り上げて刺激を与えないとイけそうにない。
それに後ろだけでイくだなんて、先輩の性癖リストにのってない。
ローターを入れたまま街を散歩っていうのはすでにクリアできたはずだ。これは完全に、貴臣の趣味か意地悪か。
「む、りっ……前も……」
涙ながらに訴えると、貴臣は少々考え込んだ。
「そうですか。しょうがないですね。ではこの子を使ってどうぞ」
なぜかジンベエザメを差し出しされ、サメくんの顔の先で何度も俺の頬をツンツンと突かれた。
「使ってどうぞってどういうこと?」
ストレートに訊いてみれば、貴臣は壁に貼ってある性癖リストをじっと見るので、俺もそれを見てみる。
――はい、ありましたね、そういえば。
ノーマルなオナニーではないほうのオナニーね。
では早速……とすんなり従順するわけあるか。
サメくんの無垢すぎる顔を見つめながら、またさらに頬が熱くなる。
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