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第一章・5
「名前、何て言うの?」
「相沢 瑠衣(あいざわ るい)です」
「ふーん」
瑠衣は、この不思議な客に興味を持った。
背は高く、ばっちりキメたファッション。
そして、表情の読めない端正な顔立ち。
(僕のこと、可哀想って思ってくれたのかな)
しかしそう考えた時、前を向いたまま寿士は瑠衣の白い腿に手を置いた。
「お、お客様?」
「黙って。運転手さんに聞こえるよ」
瑠衣が黙ってしまったのをいいことに、寿士の手は大胆に動き始めた。
すべすべの肌を撫でまわし、膝を指腹で擦る。
その手は、ついに太腿の間を割って奥へと忍び込んできた。
「!?」
(ヤだ。何、この人……)
寿士の手は、下着越しに瑠衣の股間をゆっくりと上下し始めた。
なだめるような手つきだが、その刺激に体の中心はどんどん充血してゆく。
(ヤだ、ヤだ。やめて、お願い!)
「はい、着きましたよ」
「運転手さん、チップあげるからケーキ運ぶの手伝ってよ」
は、と我に返ると、寿士の手は瑠衣から離れていた。
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