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第二章・2

「一応クリスマスだからさ、それらしい食卓準備したんだよね」  そこには、昨夜寿士が買ったデパ地下の高級デリカがずらりと並んでいた。 「好きなの、食べて」  ぽかんと寿士の様子を見ていた瑠衣が、ようやく声を絞り出した。 「ど、どうして……?」 「どうして、って。今日はクリスマスだし、一人じゃこんなに食べられないし」 「どうして、昨夜僕にあんな酷いことしたんですか!? それなのに、一緒にご飯食べようとか……、解んない!」 「酷いこと、って。瑠衣が誘ったんじゃないか。『僕がお客様のご自宅までお届けしますから!』って」 「えぇ!?」  寿士はさっさと椅子に腰かけ、ふわふわの生ハムをぱくりとつまんだ。 「面白そうだったから、乗ってみた。瑠衣、可愛いしね。お風呂エッチも、すっごく悦かったよ」 「な、なんかさっきから、瑠衣、瑠衣、って馴れ馴れしいんですけど!」 「じゃあ、ミニスカサンタ」 「もっと嫌です!」  そしたらやっぱり、瑠衣でいいじゃん、と寿士は飄々としている。 「いいから掛けて。そして、食べなよ。お腹すいてるだろ?」 「う……」  意地を張りたいところだが、お腹がぐうと言っている。  瑠衣は仕方なく寿士の向かいに座ると、手近にあったキッシュをぱくりと食べた。

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