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第二章・5
「またミニスカサンタとか……」
店長命令で、再び瑠衣は恥ずかしい格好でケーキを売っていた。
「ケーキはいかがですか? クリスマスケーキは、いかがですかぁ!?」
ぽつぽつと売れはしたが、とても完売するような調子ではない。
もうすぐ、21時。
「昨日みたいに、ぱあっと全部買ってくれるお客様が来ないかな」
は、と瑠衣は首を振った。
冗談じゃない。
そんなことを考えてたら、昨夜のお客様が来ちゃうかもしれない!
「ケーキは、いかがですかぁ!」
声を張り上げていたら、店長が外へやって来た。
「相沢くん、もういいよ。さすがにこの時刻じゃあ、売れないだろう」
着替えて、中で温まりなさい、との声に、瑠衣はほっとした。
(優しいな、店長)
「今日は、これで上がりだね」
「はい」
ちょっとおいで、と厨房に呼ばれ、私服に着替えた瑠衣は後に続いた。
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