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第四章・2
結局、言わずに終わってしまった。
僕が両親に、ふしだらだ、って追い出された理由。
「ま、いいか。そんなことに興味持つような人じゃないよね」
わずかな衣類をクローゼットに収めると、瑠衣の引っ越しは終わってしまった。
そこでキッチンへ行くと、寿士は誰かと電話していた。
瑠衣が椅子に掛けると、その通話は終わった。
「午後から、出かけるから」
「急用でもできたの?」
「ちょっと、人に会いに行く」
「ふ~ん」
昼食は、天ぷら蕎麦だった。
大きな海老天が、瑠衣には恐ろしく豪華に見えた。
「いただきま~す♡」
「何で蕎麦にしたか、聞かないの?」
「聞いて欲しいの?」
「やっぱり、聞かないでもいい」
「何でそうなるの!?」
傍を手繰りながら寿士が言うには、これは瑠衣の引っ越し祝いだそうだ。
「ふふふ」
「何、笑ってんの」
「嬉しいな、って思って」
「別に。俺も、蕎麦食べたかったし」
こうして少し胸を温めた瑠衣だったが、午後に寿士が帰って来ると凍り付くことになった。
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