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第四章・4
「ちょ、待っ、寿士さん!」
「何、瑠衣」
「とりあえずエッチ、って。何考えてるの!? 僕、ここに居るのに!」
「嫌なら、出かけててもいいよ」
「そう言う問題じゃない!」
慌てる瑠衣相手に余裕を感じたのか、陽詩はゆったりと歩き出した。
「寝室、こっち? 早く行こうよ」
「うん」
「寿士さんッ!」
ウザいなぁ、と寿士は瑠衣の手首をつかんだ。
「それなら、瑠衣も来いよ。見てていいから」
「や。やだ。イヤだ、ってば! 離して!」
引きずられるように寝室へ連れて来られた、瑠衣。
部屋の角に置いてある椅子に、ぽつんと腰かけさせられた。
「見られながらするのって、新鮮」
「気になる? 瑠衣のこと」
「ううん。興奮する」
そんな会話を楽しみながら、キスをしながら、互いの服を脱がせてゆく二人だ。
(そう言えば僕、寿士さんとキスしたことない)
目の前の二人は、たっぷりと濃厚なキスを交わしている。
瑠衣は、何だか泣きたい気持ちに駆られてきた。
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