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第六章・2
お前もそういうことが気になる年齢になったか、と父は嬉しそうだ。
「いいとこのお嬢さんが、何件か名乗りを上げてる。近いうちに、お見合いをしよう」
「ふ~ん」
別にいいけど。
別にいいけど、そこでどうして瑠衣の顔が割り込んでくるかなぁ。
(あぁ、うぜぇ)
考えることをやめ、寿士は雑煮に集中した。
「美味いよ、母さん」
「厨房のシェフ、変わったのよ。お口に合ってよかったわ」
「そう」
(今頃あいつ、何食ってるかな)
一ヶ月の手当て50万円以外に、食費は渡してある。
ただ瑠衣は、あまり食にはこだわりが無いのか、放っておくと手抜きのレトルトしか食べない。
(俺、また瑠衣のこと考えてる)
ウザいんだよ。
あんまり人の頭ン中、占めるなよ。
「俺、午後にはマンションに戻るから」
しかし、寿士はそう口に出していた。
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