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第六章・5
何で!?
今日、まだ1月1日だよね!?
3日じゃ、ないよね!?
「実家がうざくてさ、予定繰り上げた」
「そ、そう。おかえりなさい」
「で、さ。俺の、何が、すごいの?」
「ひぅッ!?」
「さっきまで、バスルームで散々叫んでたよな。いい、とか、すごい、とか」
「聞いてたの……?」
「聞こえたの。声、でかいから」
くぅう、と瑠衣は顔を赤くした。
(解ってるくせに! 僕がナニしてたか、知ってるくせに!)
「言いたくない……」
「あ、そ」
じゃあ、訊かない。
そこまでで、寿士は瑠衣を解放した。
正月早々、実家でもマンションでもうざい、なんてまっぴらだ。
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