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第七章 浮気しちゃいました!
寿士は冬休みが終わり、再び大学へ通うようになった。
彼が帰宅するまでは、瑠衣はマンションに一人だ。
「つまんないな」
ゲームはしないし、趣味もこれといって無い。
TVは面白くないし、映画も観る気がしない。
「何となく、ぶらぶらしてみよう」
コートを羽織り、瑠衣は街へ出かけた。
まだお正月気分の抜けないショッピングモールは、賑やかだ。
気の早い春物をディスプレイしているブティックがあり、瑠衣はそこへ足を向けた。
「いらっしゃいませ」
若い男性店員と、目が合った。
その途端、瑠衣は声を上げていた。
「山岡(やまおか)先輩!?」
「え。え? 相沢?」
店員は、瑠衣がまだ高校に通っていた頃の、2つ上の先輩だったのだ。
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