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第七章・2

「久しぶりだなぁ、ずいぶん垢抜けちゃって」 「そ、そうかな?」 「学校は? もう冬休み、終わったろ」 「中退しちゃった」  すると山岡はポケットからペンを取り出し、メモを瑠衣に手渡してきた。 「俺、今日昼上がりなんだ。よかったら、この店で待っててよ」  そこには、瑠衣が以前寿士と一緒にパンケーキを食べたカフェの名が書いてあった。 「うん。じゃあ、このニット、買おうかな」  瑠衣は春物の綺麗な色のニットを山岡に包んでもらい、店を出た。 「あぁ、びっくりした」  まさか、山岡先輩がここに勤めてたなんて。 「カフェ・スティール、か」  このカフェなら、すぐ近くだ。  これ以上荷物が増えるのも嫌だったので、瑠衣はそのままカフェへ直行して山岡が来るのを待った。

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