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第八章・5
「う~ん。解ったような、解らないような」
首をかしげながら、瑠衣は占いの館を出た。
『ただ、大きな試練がこの先二人を試します。それに打ち勝てば、未来は輝かしいものになるでしょう』
武田は、そう結論付けた。
瑠衣は、彼女にどうすれば試練を越えられるのか訊ねたが。
『意地を張らずに、素直になることがカギになりそうよ。お相手にも、そう伝えておいてください』
「試練って、何? 素直になるって、どういうこと?」
大きな試練を、素直な心などで乗り越えられるのだろうか。
もっと強い、意志の力などの方が武器になりそうなのだが。
「でも、僕は寿士さんのことが好きなんだ、って解っただけでも大収穫かな」
僕は、寿士さんのことが、好き。
もう、それだけでもわくわくしてしまう。
一分一秒でも早く、会いたくなってしまう。
「やっぱり僕、寿士さんが好きだったんだぁ♡」
スッキリした気分で、瑠衣はマンションへ帰った。
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