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第十一章・3
静かなリビングに、瑠衣の立てる水音が響く。
ぴちゃ、くちゅ、ちゅぽ、じゅぽッ。
寿士は、その淫靡な音に耳を傾けながら、独り言のように呟いた。
「宮迫、ってさ。陽詩だよ。宮迫 陽詩。宮迫出版の、御曹司だ」
一瞬、瑠衣の動きが止まった。
だが、すぐにディープスロートを続け始めた。
「瑠衣の喉奥、すっげえ具合いいよな」
「……」
「おい、そんな奥まで咥えて、大丈夫か?」
「っく。んく、ぅん。ふッ、ぅ……」
「あ、出そう。出る」
寿士は軽く震え、瑠衣の咥内へ射精した。
「んッ! ぅう、ふぅ、んんッ!」
素直に、全部飲んでゆく瑠衣。
もう何度、こんなことを繰り返しただろう。
全てを飲み終え、瑠衣はお掃除フェラを始めた。
ぺろぺろと紅い舌を躍らせて、寿士のペニスを舐め清めてくれる。
「瑠衣。明後日って、何の日か覚えてる?」
「ホワイトデー」
「バレンタインのお返し、ちゃんとするから。いい子で待ってろよ」
「……うん」
うつむいたまま、瑠衣は湿った返事をした。
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