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第十一章・8
ぐねぐねと動く陽詩の内壁が、寿士を具合よく締め付ける。
(だ、ダメだ。出るッ!)
しかし、今中出しすれば、確実に陽詩は妊娠するのだ。
寿士は、ペニスの根元を握って射精を封じた。
「どうして? 早く楽になればいいのに」
「見合い相手を初見で孕ませるなんて、できるかよ」
初見、と陽詩は笑った。
「もう付き合って3ヶ月以上にもなるのに? 可笑しいね、寿士さん」
陽詩の両脚が、寿士の腰に絡みついて来た。
「さぁ……、早くちょうだい。僕の内に、寿士さんの子種……」
会話をするだけでも、くらくらする。
そして、腰は勝手に動いて射精を促して来る。
「あ、それから。僕が妊娠したら、あの愛人は捨ててよね」
愛人。
瑠衣のことか。
(瑠衣……ッ!)
寿士は、固く目を閉じた。
暗がりの中で、瑠衣の姿を思い描いた。
『うん! 行く! 行きたい、温泉! 寿士さんと、二人で!』
寿士は目を見開くと、最後の力を振り絞って陽詩からペニスを引き抜いた。
「寿士さん!?」
すぐに白い体液が寿士から放たれ、陽詩の顔に飛んだ。
「悪いな。一緒に温泉へ行く約束、しちゃったんだよね」
「寿士さん!」
ベッドから飛び降り服をかき集めると、寿士は後も見ずに部屋から出ていった。
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