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第十一章・10
これは、何だろう。
(やけに小さいよね)
箱の中からさらに、ベルベットに覆われた箱が出て来た。
開けると、中にはプラチナの指輪が光っていた。
「きれい……」
「着けてみてよ」
うん、と瑠衣は中指にそれをはめようとした。
「違う、こっち」
寿士は指輪を瑠衣から取り上げ、彼の人差し指にそっとはめた。
「ひ、寿士さん?」
「うん、ぴったり」
いいのかな。
僕、寿士さんからの指輪、人差し指に着ける資格、あるのかな。
寿士は、何も言わずに瑠衣を抱き寄せキスをした。
髪を撫で、肩を撫でた。
その人差し指にも、お揃いのリングが光っていた。
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