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第十二章・2
「今からは、これずっと外さないで着けてなよ」
「お風呂も? 寝る時も?」
「そう」
瑠衣に指輪をはめてあげた後、寿士はタブレットを使い始めた。
「瑠衣、どっか行きたいところ、ある? 温泉」
「わ、忘れてなかったんだ」
「当たり前だろ」
解んないから、寿士さんの好きな場所でいいよ、と答えた後、瑠衣は言いにくそうに尋ねた。
「お見合い、どうだった?」
「うん。断った」
「陽詩さんも!?」
「ああ」
寿士はタブレットから目を離し、瑠衣を見た。
「陽詩とは、別れるよ。てか、もう切り捨てる」
「切り捨て、って……」
ちょっと可哀想だな、と瑠衣は思った。
(陽詩さんも、僕と同じように寿士さんのこと好きだったのに)
今頃、陽詩さんどこにいるんだろ。
どんな気持ちで、いるんだろう……。
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