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第十五章・3
言い争う夫と寿士をよそに、静子は瑠衣に語りかけていた。
「失礼かと思ったのだけれど、あなたのことを調査させてもらったの」
「いえ、当然のお考えと思います」
「あなた、御実家を追われるようにして、社会に出られたのね。わけを聞かせてもらっても、構わない?」
「はい……」
瑠衣は、唇を薄く噛んだ。
嘘を言うのは、簡単だ。
でも……。
(僕の全てを、知ってもらいたい。その上で、寿士さんとの仲を、許してもらいたいんだ)
腹をくくって、瑠衣は静子に語り始めた。
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