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第十七章・5

「ね、瑠衣」 「なに?」  プチ不機嫌な瑠衣の返事に、寿士は背後からその乳首をそっと摘まんだ。 「ダメだからね。バスタブの中でエッチとか、絶対ダメだからね」  二人で温かな湯につかり、くつろいでいるところに、寿士は意地悪なことを言ってきた。 「今日俺は、大学で卒論書いてたわけだけど」 「うん」  乳首をこねられながら、瑠衣は上ずった返事をした。 「その間、瑠衣は何してた?」 「料理、だけど?」  一日中料理してたわけじゃないよな、と寿士は瑠衣の首筋に口づけた。 「また一人エッチしてた? ここで」 「し、してない!」 「そうか。でも、するなら今の内だから、いっぱいしといたほうがいいよ」 「どういうこと?」 「大学卒業して俺が社会人になったら、瑠衣は楠の家で暮らすことになる。一人の時間なんて、持てなくなるよ?」 「う、嘘!?」  どうしよう。  寿士さんがいない時、一人エッチするの癖になっちゃったのに!

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