148 / 152
第十七章・7
湯上りの寿士は、パジャマを着ていた。
(普段はバスローブなのに、どうしたんだろ)
すぐにベッドで脱げるように。
すぐに瑠衣を抱けるようにと、いつもはそうしている寿士がパジャマを。
「瑠衣も、もうパジャマ着ちゃって」
「いいの?」
うん、と言う寿士の言葉に従い、瑠衣もパジャマに着替えてベッドに潜り込んだ。
「瑠衣、あったかいなぁ」
「寿士さんも、ぽかぽかだよ」
二人で寄り添い、抱き合ってキスをした。
わりとすぐに唇を離して、じっとこちらを見つめて来る寿士だ。
瑠衣はそれを不思議に感じて、訊ねてみた。
「エッチ、しないの?」
「今は、こうして瑠衣を見ていたい」
静かで穏やかな眼の寿士が、今度は瑠衣に問いかけて来た。
ともだちにシェアしよう!