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第十七章・7

 湯上りの寿士は、パジャマを着ていた。 (普段はバスローブなのに、どうしたんだろ)  すぐにベッドで脱げるように。  すぐに瑠衣を抱けるようにと、いつもはそうしている寿士がパジャマを。 「瑠衣も、もうパジャマ着ちゃって」 「いいの?」  うん、と言う寿士の言葉に従い、瑠衣もパジャマに着替えてベッドに潜り込んだ。 「瑠衣、あったかいなぁ」 「寿士さんも、ぽかぽかだよ」  二人で寄り添い、抱き合ってキスをした。  わりとすぐに唇を離して、じっとこちらを見つめて来る寿士だ。  瑠衣はそれを不思議に感じて、訊ねてみた。 「エッチ、しないの?」 「今は、こうして瑠衣を見ていたい」  静かで穏やかな眼の寿士が、今度は瑠衣に問いかけて来た。

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