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第十七章・9

「一生懸命の瑠衣は、とっても綺麗だったよ。ホントに」  何だか、不思議。  そう、瑠衣は思った。  遠い昔のようだけど、ほんの昨日のようにも感じられる。 「愛してるよ、瑠衣」  愛してる、と繰り返し囁きながら髪を撫でる寿士の手が、とても温かで心地よくて。 「寿士さん、僕も寿士さんのこと、愛してる……」  半ば瞼を閉じながら、瑠衣はそう呟いた。 「クリスマスプレゼントは、明日あげるから」  今夜はゆっくり眠って、と寿士が言う頃には、瑠衣はすっかり寝入ってしまっていた。 「おやすみ、瑠衣」  寿士もまた、瞼を閉じた。

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