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第2話 今日はバイト上がり
今日はバイト上がりの学生二人で待ち合わせて、そこそこ気分か良くなるまで居酒屋で飲んだ。
僕は花房 桜偲 。大学三年。皆からは何故か桜 って呼ばれてる。
ついこの間半年付き合った彼女の杏ちゃんとと別れだはかり。
彼女のことを可愛い可愛いって言ってたら彼女の方からから付き合おうって言ってくれ、ウキウキ浮かれてたら知らないうちに二股かけられ、あっという間に関係が終わってしまった。「桜ちゃんは優しけど……なんか刺激が少ないのよね。私もう少し強引な人がいいみたい」だって。
確かに山ぴーはグイグイ引っ張ってくれそうだし、頼りにもなりそうなナイスガイだ。
のんびりマイペースな僕なんかよりも、外食の時も何を食べるか直ぐに決めてくれそうだし、デートも色んなところに連れて言ってくれそう。普通に楽しそう。つか山ぴー全然いい奴だしな。
「う!……あっ!」
飲み屋から出て歩き始めて直ぐ、電信柱に顔面を強打。思い切り鼻が……鼻がマジ痛い。
「ちょっ桜!大丈夫か?……っ!ヤバ鼻血鼻血!」
「うわ……やってしまった」
急いで鞄からポケットティッシュを取り出してボタボタ垂れる血を止血をした。
「アホだなお前。ちゃんと鼻押さえてろよ。あーあ、白シャツに血付いたぞ」
「ん~帰ったら洗う。大丈夫大丈夫。じゃ、陸またな~」
「……本当に大丈夫か?」
「うん、平気平気~」
「オッケー。じゃ、またな~」
駅前で陸と別れいい気分でアパートまで歩いて帰った。
別れ際ぶつけて鼻血出たし彼女と別れたしで陸は心配そうにしていたけど、僕は平気だった。
二股かけられたのは知った時はショックだったけど、怒ってまで彼女を責める気にはなれなかったし引き留める気も起きなかった。
あぁ……こんなもんかっていうの?やっぱりなぁ~っていうの?僕みたいなつまらない奴と付き合っても楽しくないよなぁって自分で思ってしまってるから、別れ話を持ち出されても妙に納得しちゃったんだ。
つか、あんな可愛い彼女が一時的にいただけて幸せだと思わないと。
明日からまた普通に大学行ってバイトして毎日を過ごしていたら、また可愛い子との出合いがあるかもしれないなぁ~。
新しい出合いに期待しよう……
そうその時思ったのだ。
まさかまさか、その後予想だにしない出合いがあるなんて知らずに。
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