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第20話 な、な、な、
な、な、な、な!?なあああぁぁ!!??
さ、酸素が足りなくなるくらい!深いキスを京さんとしている!?
何で!?どうしてっ!?
そう思いながらキスに混ざる唾液に鉄臭い味がしてハッとした。
まさかっ!舌噛んだ時に出血したから?
その血の匂いに京さんが反応してこんなことになってるの?
口から溢れそうなのは唾液か血液か……分からないけど、京さんはひたすら僕の口内に舌を差し込み絡めていて、ハッキリ言って貧血と違う意味で身体から力が抜けていきそうだ。
だからトントンと京さんの背中を叩いてギブを意思表示する。
そうすると京さんの舌が離れてくれた。
最後に名残惜しそうにベロリと唇を舐められ背中がゾクリとした。
「はぁ……はぁ……けっほ……けほ……」
「…………」
「京……さ…………」
「わ、悪い…………」
「……」
「ま、まさか、まさか桜にこんなことするなんて……血の匂いについ……わ、悪かった!気持ち悪かっただろ」
「……はぁ……え、えっと……そういうのは……でもビックリしました。ビックリし過ぎて初め何されてるか分からなかったです」
「……」
「あの……京さん。今ので血って吸えたんですか?僕の口から」
「え?……あ、あぁ……吸ってた。吸っていたけど…………お前……分かってるか?」
「そっか。そうなんだ……吸えたんだ。京さん、僕の体調には何ともないですよ。貧血も大丈夫みたいです」
「……そ、そうか……」
「はい!京さんこの方法いいんじゃないですか?これなら吸いすぎることがないから気軽に血が摂取出来るんじゃないですか!?」
「……」
「……」
「お前……分かって言ってるのか……」
「……はい?」
「…………この方法だと吸血する度に俺とキスをするってことだぞ」
「……」
「しかも、かなり濃厚なキスだ」
「…………」
京さんが意地悪くニヤリと笑った瞬間にその意味が分かって僕は真っ赤になった。
全身に体温が上がりすぎて恥ずかしくて爆発しそう!!
わーーーーーーー!!!!!
何てことを言てしまったんだ僕は!!
そうじゃん!これってキスじゃん!!
キッス!!!
しかも舌絡めたりする大人なキス!!
何て!何て提案してんの!!
もう穴があったら入りたい心境だった。
京さんには笑われるし(定期的に思い出し笑いが続いた)本当恥ずかしい。
「まぁ桜が嫌でなければこれはこれで有りな方法だな」
「……は、はい……あ、でも京さんが嫌だろうし、これは無しでいいですはい……スミマセン忘れてください」
「……」
あー本当馬鹿だなぁ僕って。
加減ができる何ていい方法なんだろう!って閃いたのにこれって気軽な関係でしていい行為じゃないじゃないかー!
京さんに血を上げたいって思いが先走ってしまいヘンテコな答えを出してしまった。
僕的には気持ち悪いとは思わなかったから全然構わないけど京さんは違う。
どうして不快に思わなかったかは謎……というかむしろ気持ちが良かっ…………い、いやいやっ!そんなことを思ってはいけないだろ桜偲!!
……変にドキドキしてる自分はどうかしてる。
あ!そうだ!京さんがカッコいいからだ!無駄にカッコいいからだ!
うん!!
僕は無理矢理そう思うようにした。
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