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第28話 「おや!君は

「おや!君は城崎くんと一緒にいた子だね」 「え」 声をかけてきた恰幅のよい叔父さんに見覚えがあった。 京さんと一緒にいた時に挨拶を交わした社長さんだ。 ガシッと肩を叩かれてたと思ったら両腕を撫でられる。 笑顔だ笑顔! 「いや~あの城崎くんのところにまさかこんな子がねぇ~驚いたよ。うんうん」 そう言いながら足先から頭の先まで眺められる。両腕をにぎにぎされどうしたらいいのか分からないし、スキンシップがお好きな方なのか最終的に抱き締められてしまった。 そのせいか……ちょっと鳥肌が凄い。 「君は家政夫として城崎くんと一緒に住んでるんだって?」 「は、はい」 「家政夫ねぇ。若いから色々出来るんだろうな。彼の身の回りの世話もかな?……ふむ……こういう子は……うん……いそうでなかなかいないからなぁ……よく見つけたものだな。羨ましい限りだ……」 「は、はぁ……」 「あはは!そんな顔……困った顔も可愛いね。なんでもないよ気にしないでくれ。ほら、困らせてしまったぞあはは」 そうお付きの人(部下だろう)に話し掛けながら僕の肩に優しく触れてきた。 ……こ、こういうスキンシップはちょっと苦手だなぁ。 「まぁ、もし進路に困ったときには気軽に相談にのるからね。城崎くんによろしくね」 そう言われてまた名刺をいただいた。 ……僕は持ってないんだけど、社会人になったらこういう風に名刺交換しないとなのかなぁ。 そんな事を思いながらもらった名刺をポケットにしまった。 「花房くん!」 「あ、鷹野さん」 「いたいた!探したよ~良かった」 「すみません。はぐれてしまいました」 「もう花房くんがいないってなったら社長機嫌悪くてさぁ。早くこっちだよ」 「はいごめんなさい」 しまった。京さん怒ってるんだ。 離れるなって言ってたもんなぁ。 でもあの時は仕方がなかったし。って……はぐれてしまった僕が悪いもんな謝らないと。 「今、社長さ女性と一緒にいるんだけどね。その女性のこと苦手でさぁ~花房くんちょっと社長助けてあげてよ」 「え、僕がですか?」 「部下の俺じゃ角がたつだろ?花房くんなら少し強引に割り込んで行っても大丈夫だよ」 「そうですか?でも京さん、僕のこと怒っているんじゃ……」 「……ふふ、あはは……いやいや、そんな事ないよ。行って確認してみなよ?女性のことはその後でいいから」 何故か笑う鷹野さんに案内されて京さんの共へ向かった。

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