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第40話 そんな覚悟
**京**
そんな覚悟を決めたこの俺に、あの馬鹿な俺の餌は、あんな女と結婚するのかと泣きそうな顔をして聞いてきたではないか。
勘違いも甚だしいかったが、必死な様子の桜は新鮮だったし、その様子から結婚することに賛成でないことが分かって満足した。
美女と仲良くして見せるのも仕事なんだと言っても、こいつは分かってくれないだろう。
俺と同等のセレブな女性と結ばれることが俺の幸せだとか僕なんかお払い箱なんだとかそんなくだらないことを考えているに決まってる。
しかも!この俺がだ!この俺が本気で口説いているのに気付きもしない!
割りとショックだったし……
そんな鈍感大馬鹿野郎には酒でも飲ませて強硬手段だ。
俺自身酒は好きで飲む方だけど桜も酒は強い。楽しそうにコクコクと飲む桜はまた可愛いくて自分の酒も進んでしまう。
酔って赤みを帯びた桜はまた艶めいて魅力的だし、身体から放たれる良い匂いもたまらない。
そんなヘロヘロに酔った桜を抱いた。
こんな酷いセックスは初めてだ。酷いというのは桜を痛め付けたわけではなく、我を忘れて桜の身体に溺れきった自分に向けてだ。
欲しくて欲しくていとおしくて夢中になってしまった。
桜の唇も滑らかな肌も色っぽい吐息もしなる腰も必死に伸ばしてくる細い腕も……全てにドキドキしっぱなしで心を持っていかれてしまった。男を抱くなんて初めてだけど、好きな人が相手なら全く気にならない。どこもかしこも触れたくて仕方がない。こいつは俺のモノだから。
桜にはお前は俺のモノだとしっかり自覚してもらわないとマジで殴ってしまうかもしれない。
腕の中で眠る桜の寝顔を見ながら思う。何回イったかな……さすがに疲れた。
瞼を閉じれば眠気がどっと押し寄せる。
腕の中のぬくもりが酷く心地好かった。
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