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第41話 「…………ン」

「…………ン」 あ、さ…………? 今……何時だろ…… カーテンの隙間から強めな日が差し込み部屋の一部を照らしている。 寝坊したかも……起きないと……そう思い、起き上がろうとしたのに何故か身体が動かなかった。 身体が鉛のように重い。 やたらダルくて痛くて寝返りすらおっくうだ。 何でこんなに……風邪かな?筋肉痛?おまけに頭まで重たい。 ……あぁ……そうだ。 昨日結構飲んだんだっけ。 パーティーの帰りに京さんと一緒に焼肉屋さんに寄ってワイン飲んだんだ。 凄い美味しかったけど高級過ぎて全然焼肉屋じゃなかった。 美味しい食事と美味しいお酒をいただいて楽しかったなぁ。 それからご機嫌になって、京さんと家に帰って来て……? 帰って……?来て…… か、帰ってから……風呂……そうお風呂!お風呂に入って…… ……きょ、京さんと入って? えーとそれから? ……ドキン……ドキン …………あ、ヤバいなんか血の気が引いてきた。 そこまで考えたら寝起きの鈍い思考が急に活動を始める。 ちょっと待て……待てよ……先ずここは僕の部屋~~? ではない…… 横向きで寝ている僕の視界には大きな窓があり、それにはカーテンがかけられているけど、このカーテンは京さんの部屋のカーテンだ。 部屋とは寝室。 ということは、当然僕が横になっているのは京さんのベッドということ……脳内が震える。 あ! あああああぁ……っ! うあああああぁ……っ! さささ昨晩っ! この部屋で!京さんと寝た! 寝たとはすやすや仲良く眠った訳ではなくてヤった!やらしいこと……しっかりやらしいことしてた! それはこの動かないこの身体が証明している。 具体的に腰が痛い。 股関節と尻が……お尻には何かの違和感があって変な感じがする。 「あわわ……どうしよう」 ポソリと呟いた次の瞬間、後ろから腕が伸びてきて抱きしめられた。 !!! そして僕の手のひらに重ねるように京さんの手が添えられて指が交互になるように握られてる。ここここの握りかたは恋人がするやつですけど!? 「何が……どうしよう?」 !! 寝ぼけた口調の京さんが囁く。 しかも耳元で色っぽく……て僕はもう死にそう。 「あ、あ、あ、あ……い、いえ…………」 「桜……もう少し寝よう」 「え、あ、はははい!」 首筋に触れているのは京さんの唇だろうか。吐息が……!あたたかな唇が気になってドキドキしてしまう! 抱きしめられたこの状態で寝れる訳ないです! イヤ!むしろ無理やりにでも寝るべきか!?

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