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第2話 舐め犬

 カバンの中に入れていたウエットティッシュで汚れたズボンとパンツを拭う。  早めにきれいにしておかないとカピカピになってしまうから。それはそれでいいかなと思わなくもないけど、一度それをやったら旭くんにそれだけは止めてくださいと言われたので言いつけを守っている。  冷感性の汗拭きシートで股間を拭えば意外な刺激で気持ち良さとにおいケアもできて一石二鳥だ。  身支度を整えバスケ部の部室から出て、練習するバスケ部をちらりと眺める。  バスケットシューズのグリップのいい靴底がピカピカに磨かれた床に擦れる音。ボールの跳ねる音。その音のひとつに旭くんがいた。  一応俺と旭くんは付き合っている。はずだ。  もしかすると俺が勝手にそう思っているだけなのかもしれない。でも俺は確かにあの時旭くんに告白して、旭くんもその告白を受けてくれた。はずだ。  今さらそれを確かめて、彼氏でありご主人様を失うのは怖い。 「そんなことより、旭くんかっこいいなぁ……」  汗を流す旭くんを見つめてると視線を感じる。視線の先の鳶坂と目が合う。まだいることに驚いているのか、目を見開いてこちらを見ている。  後輩を気にする鳶坂に申し訳ない気がして俺はバスケ部の練習場をあとにした。  旭くんの部活が終わるまで裏校舎の空き教室で待つ。  閉めきったほこりっぽい教室の窓を開けるとふわりと熱をまとった風が入る。初夏の風は生ぬるいが日差しが当たらなければ心地いい。  旭くんを待つ間は特にすることもない。ぼんやりとしていると、そのままウトウトと眠ってしまった。 「先輩、斎藤先輩」  旭くんの声で目を覚ますと辺りはもう薄暗くなっていた。 「起きてください。風邪ひきますよ」 「旭くん、部活お疲れ様」 「ありがとうございます。じゃあ汗かいたんで綺麗にしてくれますか?」 「うん……!」  薄暗い教室。誰が近くを通ってもいいように、廊下の死角にまわる。  ベルトを外して制服のスボンの前をくつろげた。蒸れたにおいにドキリとする。  汗で湿ったボクサーパンツを下ろして、そのまだ大きくなっていない旭くんのそれに舌を這わせた。その瞬間、大きな音が響いた。音と一拍遅れて頬に痛みが走る。 「まだヨシとは言ってないですよ」  ゾクリと腰が震えた。痛みは快楽だ。またズボンの中が窮屈になる。 「んぁッ、ごめ、なさい」  謝罪をし舌を突き出しておとなしく待てをすると、旭くんのそれがひくりと少し大きくなった。舌先からたらりと唾液が落ちる。  そんな俺を眺めながら旭くんが椅子に浅く座った。 「ヨシ」  長い待てが終わりお許しが出た瞬間、旭くんのおちんちんにしゃぶりつく。  それでもお行儀よく、まずは先端に舌を這わせ滲み出す先走りをすする。 「そういえば、斎藤先輩って鳶坂先輩と同じクラスでしたよね」  舌で旭くんを愛撫していると、唐突に鳶坂の名前が出てきて驚いて旭くんのソレから口を離す。 「さっき、俺聞かれたんですよ。斎藤とどういう関係なのかって」 「なんで?」 「斎藤先輩がイッたばっかのエロい顔で、俺のこと見てたからじゃないですか?」  鳶坂が俺のことを見ていたのはそういう意味なのだろうか。明日鳶坂と顔を合わせるのが気まずい。 「ま、正直に付き合ってますって言っといたんで。変には思われてないと思いますよ」 「あ、旭くん……」  俺から告白はしたけれど、こうして旭くんの口から付き合っていると認識してもらえていると確認できて俺は嬉しくなって泣きそうになった。 「ほら、続きしてくださいよ」  そう言われて俺は玉のところも丁寧に舐める。ちらりと旭くんの顔色を窺うと、優しそうな顔で俺を見ていた。  その顔が嬉しい。はむはむと唇で優しく旭くんがより気持ちよくなるように舐める。 『旭くんのアナル……』  舐めていて目に入った、いまだ触れることを許されていない旭くんのソコ。  今日は付き合っていることも確認できたし、見せびらかすように足を広げて座っているので、ここも舐めることを許してくれているのかもしれない。  そのまま玉のところからゆっくり下へ舌を進め、会陰部、そして旭くんの可愛く窄まった部分にひたりと舌を添えた。  その瞬間、旭くんの上体が折られずい、と顔が近づいてくる。 「斎藤先輩、俺そこまで許してないですよね?」  旭くんの大きな目に睨まれ、またパシリという音を立てて頬が叩かれた。 「あ……んんッ」 「どうせまた大きくしてるんでしょう?」 「して、ま……あァッ」  ぐにゅ、とズボンの中で膨らんだそこを踏まれる。 「ふふ、先輩って本当に悪い子だなあ。ちょっと制服全部脱いでよ」 「でも……はうッ」  また強く踏まれて言葉を飲み込む。 「ほら、早くしてよ。斎藤先輩」  旭くんに急かされ、慌てて制服を脱いでいく。  空き教室とはいえ学校内だ。誰がいつ来るか分からない。そのスリリングさにまたズクリと興奮して大きくなったそれが、ぶるりと湿ったままのパンツから顔を出す。  すべて脱いで旭くんの前に土下座の格好で座る。 「ヘンタイ」  そんな俺の姿を見て、旭くんは満足げに笑って言った。

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