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俺は、倉科 海凰殿を見ながら、レベルを計る。
人種的には…。
ドス黒い夫婦と、あまり変わらない気がした。
現に、深李さんが、大人しいし。
「さっさと、吐いてしまえば、楽ですよ?深李様…」
「えーっと…家出を実行した時に、たまたま雨が降りまして。彼が、偶然、通り掛かってですね」
目が泳いでるよ、深李さん。
「はぁ」
「…助けてもらったんです、はい」
「ほ-っ。家出を実行したのは良いが、運悪く、雨が降ったんですか。それはそれは、寒かったでしょうね。私のお言い付けを守れないなんて、馬鹿ですか?散々、言ったつもりですよ。雨に濡れてはいけませんと…」
「…っ」
あの日の深李さん、びしょ濡れだったな。
要は、倉科 海凰殿の地雷を踏んだ訳だ。運が付いていないというか、深李さんらしいというか。
最早、神が授けた賜物だ。
あの…。
性格 、どう、見ても我が道を行く。
倉科 海凰殿も、苦労するな…。
天然という、最先端の技術に、俺は、感嘆する。
これ、此処でしか無い話だ。
そんな事を、考えながら、俺は新たな小説のタイトルを思惟していた。
今なら…。
BLというジャンルがある。
知ってはいるが、折れるべきなのか。
新しい話を書くなら、自尊心云々、言っている場合じゃないのかな。
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