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低いから、襲わない。
それは、目が節穴なだけ。
鳴澤家の若君は、貴方を、襲う気満々です。
私が、寝惚けている深李様に、キスした時の。
辺りに漂った冷たい空気。
何よりの、証拠だと思いますが…。
身長の部分を抜かせば、深李様が言う、スペックに該当する。
お家柄は、由緒正しき旧家で、有名な『鳴澤家』。奈篦様を筆頭に、旦那様である詠清様は、お人柄も良い男性であり。
椅子に腰を下ろしている彼は、若いながら、御上という立場。
一般人では、手が届かない頂点に立つ存在で。
周りの旧家の者達が、色目を使い、喉から手が出る程に欲しい人間。
何処から、どう見ても、彼は、深李様と同じ御曹司。
「な、倉科が、心配する程の人物じゃないぞ!イケメンだけど、コイツの場合は、残念なイケメンだし」
ー…残念なイケメン?
深李様の言葉に、首を傾げる私。
何処が、残念なのかを、お得意の作文用紙に書いて欲しい。
しかも…。
きっちり、三百文字ぐらいで、鳴澤 克樹の残念な所を纏めてくれると助かります。
深李様、得意じゃないですか…。
志龍様直伝の執筆で、説明文書くの。
あ、違った。
読む方が得意なんだった。
声に、強弱付けて、読むんです。
ー…説明文を。
これを聞いた者は、大層、感激すると評判なんです。
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