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そういうふうにできている2
「突然発情期になったわけじゃないよ。事故も起こしてない。でも、なんていうか、すごい衝撃だったんだよ」
あの『バクンッ』と心臓が高鳴った衝撃をなんて説明していいか分からずに、遠回しな言い方になってしまうのがもどかしい。
「まぁ、俺はβだからよく分からないけど、発情期が来て無くても分かるものなのか?」
「現に僕がそうだし……相手にはまだ、僕が未完のΩだって……言ってない」
発情期が来ても、来なくても、『Ω』という烙印を押されている以上、αからの求婚は願っても無いことだ。
両親だって、息子の身の安全を思えば、早々に番にしてもらったほうが安心だ。どこで発情期を迎えるか分からない不安よりも誰かの物であるほうが襲われることはない。
「それって、大丈夫なのか?」
「まぁ、Ωってことには間違いないけど」
曖昧な返事に尊は、「ダメだろう」とダメ押しした。
「でも、発情期のフェロモンで事故ったわけでもないから……大丈夫じゃないかな」
むしろ、素面の状態で『運命の番』って気が付けた相手だから、間違いはなさそうだ。
「発情期が来ないと番にはなれないんじゃないの? 相手は子どもも欲しいんだろうし」
「……どうだろう」
一般的には発情期を迎えたΩとのセックス中に後ろ首を噛めば番になれるとされている。発情期については第二次成長期の学習を受けていれば誰もが知っている。そして発情期中にαと番えば子どもができる可能性があることも教えられている。
だから、発情期を迎えていない僕の場合は番えない可能性もある。
「そこは相手に伝えた方がいいと思うけど」
「そうだよね」
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