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そういうふうにできている4

 尊も同じ専攻だけど来年からは専門学校に進学が決まっている。  僕だって渡された名刺を何度も見返した。名前は知っていても顔は知らなかった。  斬新で鮮烈なデザイナー。オフィスビルやレストランをいくつも手掛けて建築家を目指す学生は誰もが知ってる名前。だけど、本人は顔出しNG。父親の社長はメディアにも出ているから知っている。まだ若く、その息子ならばもっと若いだろうと予想はしていてもあんなにかっこいいとは思ってなかった。 「玉の輿じゃんっ」 「た、尊。声がでかい」  慌てて人差し指を口に当てた。  尊は持っていたカフェオレをズズズーっと飲み干してふうっとため息をついて落ち着くと、「αがエリートだってことは知っているけど……凛人の相手があの徳重って……」と驚きに飲み干したはずのカフェオレをもう一度啜った。 「凛人、大丈夫なのか?」  改めて確認されて、「さぁ」と小さく答えた。  状況が飲み込めていないのは僕も同じで、尊に話して改めて落ち着こうと思ってはいたが、逆効果だったようで、不安は募るばかりだ。 「どんな人だった? 若い? おっさん?」 「若いよ。背も高いし。僕もおじさんかと思ってたけど見た目は若い。歳も離れてる感じはしなかったよ」  いくつも建築しているからこの業界に長い人物かと思っていた。だから、あんなに若いとは想像ができなかったのだ。それは尊も同じようだった。 「いかにもαって感じだよ。あの秘書は好きになれない感じ」 「秘書?」 「うん。ずっと横にいて代わりにペラペラしゃべってる。どうもアンチΩって感じで好きになれない」

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