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そういうふうにできている9

 もう用事はないと言わんばかりの態度にふつふつと怒りがこみ上げてくる。  慎也の態度から歓迎されているとは思えないけど、もう少し愛想があってもいいんじゃないだろうか。  これから共同生活をするのに、家事や掃除、プライバシーなんかを話し合う必要があるんじゃないだろうか。  まして、同居を希望してきたのは慎也の方だ。  これまで一人暮らしはもちろん、家族以外と同居もしたことはない。だけど、常識として最低限のルールを決めるべきじゃないだろうかということは僕でも分かる。 「あのっ、僕は何をしたらいいですか?」  少し大きな声になってしまったが、そこは仕方がない。  慎也は手にしていた新聞を開いたまま顔をこちらに向けた。 「なんの事だ?」  慎也は訝しげに眉間に皺を寄せた。 「同居するからには、少しは話し合いとか必要じゃないですか? 家事分担とか食事とか……」 「必要ない。掃除や食事はハウスキーパーがいる。俺は仕事で居ないことの方が多いから、好きにしろ。詳しいことは穂高が説明するだろ」  再び新聞に視線を戻す慎也にムッとした。  僕の発情期以外に興味は無いってことだろうか。  これからもしかしたら夫婦になるかもしれないって関係で、もしかしたら子どもができて家族になるかもしれないって相手なのに……。 「発情期なんて……来ないですよ」  ムスッとした言い方をすると、慎也は手にしていた新聞を投げるようにして手から離すと立ち上がった。 「それはどういう意味だ? 他に番っている相手でもいるのか?」

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