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そういうふうにできている18
「僕に聞かれてもはっきりと答えられません」
そのことで今も言い合いになっていたのだから。
「さっさと物にしてしまえばいいだろう?」
今度は慎也の方に向いて言った。
物にしてしまえばいい?
「服従しないのだから仕方が無いだろう。こいつの発情期待ちだ」
「そんなことあるんだ。『運命の番』って面倒だね」
慎也と智晴が言っていることが理解できない。
「服従って何? 僕はΩだからって、αの慎也さんに服従するつもりはないよ?」
慎也がαだからといって、優位に立って命令したり、服従させられるような関係にはなりたくない。
「おや、凛人君知らないの?」
智晴は首を傾げた。
何を知らないというのだろうか。
「αはΩを服従させられるフェロモンを持ってるんだよ。α同士では効かないし、βにも効く効かないがあるから絶対ではないんだけどね。凛人君にはそれが効かないみたいだね」
慎也に向かって意地悪く笑った。
「お前も試してみればいいだろう」
「そんなことして、発情されても困るだけだからね。慎也は面白いだろうけど」
「それって、αはΩの発情期を操れるってことですか?」
それなら、慎也は僕の発情期を待たなくても、発情期を発生させられるって事だろうか。
「そこまでの力ないけど、少しだけど動きを制限したり、発情期っぽくはさせられるかな」
だから、慎也が近づいたり、口づけをした時に僕はぞわぞわっと熱くなったのだろうか。
発情期を迎えていない僕には発情することがどういうことか分からない。
慎也のフェロモンが効かないのは、僕がまだ発情期を迎えていない未完のΩだからだろうか。
その可能性は低くはない。
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