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そういうふうにできている19

「無理に発情させることもないだろう。時期が来れば嫌でも迎えるんだから」  慎也は不機嫌に言って、「早く飯の仕度をしろ」と言った。 「はいはい」  智晴は軽く手を振ってテーブルから離れた。 「あいつに懐くなよ」 「別に懐いてなんかない。知らないことを知りたかっただけです」  αにそんな能力がるなんて知らなかった。 「Ωだってαを虜にするフェロモンがあるんだからお互いさまだろう。悔しかったらさっさと俺を服従させてみろ」  慎也は意地悪く言って、グラスの水を飲みほした。  食事をしながら、慎也の設計した建物について話を聞いた。この建物も慎也が設計し、住んでいるマンションも慎也が手掛けたものらしい。この建物はこだわりが多く、丸い窓や柔らかい印象を与える工夫も施されていて、度々リフォームをしているそうだ。  感心しながら室内を見渡すと、内装も手掛けているということだった。  慎也の強引な態度とは真逆の柔らかく優しい印象を受ける設計。間接照明のダウンライトなど照明も凝っている。テーブルや椅子は落ち着いた色のダークブラウン。壁はライトブラウンととてもおしゃれだ。  拘っていると言っているからか、設計に関しての慎也は饒舌だった。 「大学で勉強することなんて、ほとんど役に立たない。さっさと自分の建てたい物を建ててそこから勉強して次を作ることが一番勉強になる」  慎也は得意げにそう言った。  まずは実践すること。そこでの失敗や成功を次に生かすこと。慎也は前向きな考えを持ち、強引な人間なんだと悟った。

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