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そういうふうにできている22

「それ、徳重さんに相談したらいいじゃん。専門家なんだし」 「そんなのずるいよ」  慎也さんは設計が大好きだ。それはこの間の食事の時の会話でよく分かった。僕が少しでも分からない様子だと、教授なんかより分かりやすく教えてくれた。 「ずるくなんてないよ。教授に逐一質問しに行くよりはよっぽどいいし、資料の丸写しなんてよくあることなんだから。設計のアドバイスが欲しいってメモ残したらいいんじゃない? そしたら凛人だって寂しくないよね?」 「僕は寂しいなんて一言も言ってない」  早く目が覚めてマンションに1人でいても、学校に来ていても時間の使い方は同じだからと、早目に学校に来ていたけど、これは無自覚に寂しかったからだろうか。  尊に指摘されてふと気が付いた。 「学校にはいるけど、それは設計デスクを使ったりするからで、教授にだって質問に行っているし。前と変わらないと思うけど」 「そう? 前は家でダラダラして昼頃来てたりしてじゃん」 「まぁ、そうだけど。正直に言えば、あんまり居心地がよくないんだよね。家にいるとハウスキーパーさんが来たりして、落ち着かないし。自分の部屋はあるけど、やっぱり自分家の方が落ち着くしさ……結局行く当ては学校しかなくて……」  そういう理由だから、僕は別に寂しいわけじゃない。と、自分に言い聞かせた。 「凛人、もう少し徳重さんとの距離を縮めた方がいいかもね」 「そうかもしれないけど」  その方法は思いつかない。  仕事で忙しい慎也を煩わせるのも気が引ける。  だけど、慎也との距離を縮められない理由は他にある。  あの身体をグラグラと揺さぶるような感覚が苦手だ。声だけじゃない、側にいるだけでどうにも落ち着かなくなるし、動悸もする。

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