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そういうふうにできている34
「……ったく、俺の物だってのに」
慎也の手が後頭部に回って、もう片方の手が背中に回された。ぐっと力強く引き寄せられて、抱きしめられた。
更に身体は熱くなる。
これが、発情期……かも。
慎也が更に強い力で抱き締めた。
力の入らない身体はされるがままだ。
「そのままゆっくり深呼吸しろ」
言われるがまま深呼吸を繰り返した。慎也の方手が背中をゆっくりと撫でる。徐々に落ち着いてくる。抱き締められる安心感に目を閉じた。慎也の肩口に額を付けたまま身を委ねた。
身体の動かない恐怖に強張った身体から、緊張が解きほぐされて行くのを感じると同時に、ぞわぞわとしてくすぐられるような感覚が起きる。これは、慎也のαのフェロモンだろうか。
背中に回された手の指が僕の項をくすぐるように撫でる。そのくすぐったさに肩を上げて見上げた。
目を細めて、まるで愛おしむかのように見つめる瞳と視線がぶつかった。
「……んっ……」
噛み付くように、勢いよく口付けられて、互いの歯がぶつかった。だけど、そんなこと気にもとめない。慎也の熱い舌が口内に侵入して、舌を絡め取って、吸い付かれた。ピチャっと厭らしい音が耳に頻繁に届く。
仰け反ってその口付けを受け止めて、慎也のスーツの胸をギュッと掴んで、反対の手を背中に回して、そのまま崩れ落ちないように身体を支えた。
グズグズと蕩けだす身体。熱が体中を巡って、熱い吐息となって、合わせた唇の隙間から喘ぎとなって漏れた。
互いの荒い息が聞こえて、唇が離されたのに気がついた。
仰け反ったのを支えられたまま慎也を見上げる。
「動けるようになったか?」
慎也の言葉に小さく何度も頷いた。
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