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それがそうなら1

 慎也が外出禁止を解いて、一緒に外に出た。  昼を過ぎて帰って来た慎也は、穂高に言いつけて僕の着替えを用意させた。僕は上等なスーツを着せられた。  馬子にも衣装というのだろうか、どうにも不似合いな気がして落ち着かない。髪も穂高にセットされたが、嫌そうに触れる穂高にイライラが募った。  部屋からリビングに出ると慎也も着替えていた。仕事に行く時とは違うライトグレーのスーツ。華やかな印象を受ける。長めの髪はいつもとは違い、軽く後ろに流している。 「よく似合っている」  慎也は機嫌よくそういうと少しだけ笑った。  今日はなんだか機嫌がいいみたいだ。 腕時計を見やって「時間がありません」という穂高に促された。 「どこに行くんですか?」  まさかこのまま親に紹介とか親戚にあいさつに行くとかじゃないだろうか。  事を急ぐ穂高ならやりかねない。  警戒してリビングから出ない僕に、「今日は観劇に行く」と慎也が告げた。 「観劇?」  劇場へでも行くんだろうか?  首をかしげるが、「行くぞ」と腕を引かれた。  穂高の運転で連れてこられたのは劇場。それもオペラ劇場だ。  慎也のエスコートで絢爛豪華な会場の出窓のようになった他の席と少し離れた席に通されて、手触りのいいソファーに座らされた。  すぐ横に慎也は座って穂高に渡されたパンフレットを僕に差しだした。

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