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そういうことだから5
だけど、あからさまな穂高の言葉に怒りが湧く。
「慎也様は耐性剤を飲んでもいましたし、これは凛人さんの自覚の無さが引き起こしたことです」
僕ばかりを攻める穂高の言葉はますます僕を追い詰める。
「わざと慎也様を煽ったわけでは無いでしょうね?」
確認のために穂高が俯いた僕の顔を覗き込んだ。
「そ、そんなことしてない」
顔を上げる。だけど、穂高は僕を信用していない。
Ωを蔑む人間は多い。
αならなおさらだ。
その態度が穂高からは如実に感じられた。
「僕は、そんなことしてないっ。そんなことができるなら、僕はΩをやめたいっ」
制御できるなら、Ωでありながら発情期を止められるはずだ。
「発情なんて、僕はした覚えもないし、誘ってなんかないっ」
「それでは無自覚で事故が起きてもあなたは仕方がないことだと言わざるをえません。薬も飲んでいなかったあなたの責任です」
「そんなことは分かってる。だけど、薬なんて飲みたくなかったんだ」
発情期も無いのに薬なんて飲みたくなかった。自覚も無いのに薬を飲んで副作用が起きるのも怖かった。
「僕だって、自分がどうして襲われるのか、わからないんだっ。急に運命の番だって連れてこられて、同居させられて、結婚だとか、番だとか言われて……自分がΩだって分かってるよ。分かってるけど、僕は発情期もないし、発情したこともない。慎也さんが運命の番だって、分かってるけど、僕にはどうすることもできないんだっ」
頭に血が登って立ち上がって訴えた。
「発情がどうして起こっているのかも分からないしっ、それを制御なんてできないっ」
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