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そうやって、そうなって11
ドアは外から開けられた。穂高は運転席に座ったままだから開けたのは違う人物だ。
外は暗くなっていて、窓にはスモークが貼られている。俯いて車が止まった事にも気がつかなかった僕はドアを開けた人物にも気がつかなかった。
驚いて動くことができない。
まさか出迎えにくるなんて思いもしてなかった。
「相変わらずどこでもは……」
動いた身体は恐怖なんて忘れていた。
目の前のこの男を欲しいと全身が訴えた。
背も高く、逞しい慎也は僕の身体を受け止めた。
身体が熱い。熱くて、熱くて堪らない。
「しん……」
絞り出した声は吐息のように熱を持っている。
もう、駄目だ。
ぎゅっとしがみついた僕を慎也は軽々と抱き上げた。
「覚悟しろ」
慎也の声も熱を持っている。
それだけで、十分だった。
僕は頷いた。
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