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そういうふうにできていた1

 互いの熱い吐息が混ざり合う。唇は貪るように合わされて、粘着質な水音が響く。  頭が沸騰するような熱さを感じる。穂高が、「そのような未発達のΩの相手などされなくても」と引き離そうとしたが、「これは俺の運命だ」と言った。 僕を抱き上げた慎也は穂高に帰るように伝えると、僕を部屋へと連れて行った。玄関のドアが締まる前に唇が重なった。  これが発情だ。  発情期のない僕にだってそれくらい分かる。欲情なんて甘い言葉じゃ足りない。逃げ場を失った熱が全身から湧き出ているようだ。これがきっと、Ωのフェロモンだ。  僕のフェロモンに、Ωのフェロモンに慎也が騙されてしまえばいい。  汚いと言われようが、僕はこのαが欲しい。  もつれ合うようにして慎也の寝室に連れ込まれて、ベッドに押し倒された。まるではぎ取るように服を脱がそうとする性急さに驚いて、「慎也さんっ」と名前を呼んだ。だけどその手が止むことは無くて怖くて、一度ぎゅっと目を閉じて、両手でその頬を、「バチン」と叩いた。 「……だ、大丈夫ですか?」  動きを止めた慎也に怖ず怖ずと呼びかけると、慎也は笑った。  欲しいと訴えながらも、性急な慎也に臆して静止させたのはまだ理性が働いているからだ。それに、身体を奪われる戸惑いも拭い切れない。 「検査なんて必要ない。お前は俺の番だ」 「うん。僕は、慎也さんの番だ」  僕の応えに慎也が目を丸くする。  押し倒されたベッドから頭を少し持ち上げて目の前の唇に口づける。 「運命の番なんて信じない。僕は未完のΩだけど……慎也さんになら、委ねるから。僕をΩにして」

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