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そういうふうにできていた8
口づけをしながら慎也が腰を動かす。舌を絡めてその甘い口づけに首を持ち上げてしまう。
痛みは感じない。慎也の熱い熱を身体の中に感じる。
「ああっ……慎也さぁ……んっ、あっ」
慎也が感じるところを擦りながら奥を穿つ。互いの唾液を求め合い、合わさった唇の隙間から喘ぎが零れる。
違う。
中に感じる慎也のそれに違和感を感じるけど、感じるところを擦られれば仰け反って締め付けてしまう。
初めての行為なのに快感ばかりを拾って身体は熱くなる。高ぶって甘い声は止まらず、熱を逃がすことも出来なくてはくはくと呼吸を繰り返す。
「しんっ……んっ、あっ」
後ろからの刺激に前は先走りでびしゃびしゃだけど、だけどイクには至らなくて、それに気づいた慎也が手を伸ばした。
後ろの出し入れと合わせて手を動かされて、「いやっぁ……」とのた打った。
「イケ。俺が満足するまで付き合え」
激しく腰と手を動かされて、「ああっ、あっ」と鳴き声に似た声を上げた。
強く激しく最奥を突かれて、手を動かされて震える身体が慎也を締め付ける。
ああっ、もどかしいっ。
肌が触れ合った所から与えられるαからの快感。
それに気が着くと焦れったくて仕方がない。だけど、直接の刺激にも快感は生まれる。
「っああっ」
欲しいっ。
このαからの快感が欲しい。
「それ……取ってぇ……」
物理的に与えられる快感しか感じられない。全身から与えられているのに、そこからだけ感じることができない。
薄い隔たりが邪魔をしている。
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