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そういうふうにできていた11

 熱くて熱くて……。  ドロッと自分から何かが溢れ出したのを感じた。  それは、慎也が突き入れていた場所だけじゃない。  体の中から何かが溢れ出した。  首から熱いものが体中を駆け巡る。  一気に溢れ出したそれに気づいた。  ギュッと目を閉じて、呼吸が乱れて項を抑えて身体を捩った。 「凛。どうし……」  溢れ出したそれに慎也も気がついた。  溢れ出す熱に見下ろしていた慎也が自身の唇を舐めた。 「きた……。来たよ」 「ああ」  慎也が何度も頷く。  ゴムを剥がした慎也が再び押し入った。 強烈な快感に悲鳴を上げた。さっきまでの快感とは次元が違う。強烈過ぎる快感に放ちもせずに上り詰めて息を詰めた。  受け入れるために身体が変化する。潤滑剤なんて必要無い。溢れるほどに濡れて水音をたてている。穿たれる度に快感の悲鳴を上げた。 「凛っ、今は番えない」  頷く。  未完の僕をみんなが知っている。僕の家族も慎也の家族も僕が完全なΩになったことを知らない。証人がいない。僕が発情期を迎えた事実を認めさせる必要がある。  薬や事故じゃない。発情期を迎えたことを知らせる必要がある。二人が望んだ結果だと知らせるために。  だから今は番うことは出来ない。  初めてのヒートに身体が震えるばかりで、快感に泣くことしかできない。身体をコントロールすることも、快感から逃げることも出来ないのに、慎也から与えられる快感をもっと、もっとと貪欲に求めてしまう。

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