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そういうふうにできていた12
αの強烈なフェロモンに慎也も煽られて益々フェロモンが濃くなっていく。
「し、慎也さんっ。怖い……」
「俺が暴走して噛み付く前に、気を失わせてやる。だから、お前は必死に項を守ってろ」
荒い息使いで一気に言うと腰を突き上げた。
さっきまでとは違う激しい注送と口づけ。互いのフェロモンが混じり合ってさらに興奮の熱を上げる。
「凛っ」
呼びかける慎也の声が耳から甘い快感を与える。差しだしそうになる項を両手で押さえて熱が溢れて熱いそこに爪を立てた。
Ωの発情期は3日から10日続く。
抑制剤で抑えることは可能だけど、完全ではない。
気を失えば熱は一気に収まる。だけど、気がつけばまた発情期のヒートを起こしてしまうから、眠った僕に慎也が抑制剤を飲ませて、後始末までしてくれた。抑制剤のせいなのか発情期のせいなのか、熱っぽい身体はだるくて揺すり起こされても意識は混濁していて、激しい行為に体中が痛かった。
発情期中のΩはセックスだけしか考えられなくなる。誰彼かまわず体を求めると聞いていた。その性のせいでΩは要職に着くこともできず、低下層扱いされ続けている。
ぐったりとベッドに横になったまま慎也を見上げる。僕が寝ている枕元に腰を降ろした。
「少しは落ち着いたな」
慎也が頭を撫でる。
「……う、ん。でも、だるくて……」
起き上がれないことを伝えると、クスクスと笑って抱き上げて横向に自分の足の上に座らせた。
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