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それからそうなるように1

 一度触れ合ってその快感と感覚を知ってしまうと自分は変わってしまうかもしれないと緊張して、慎也に近づくのも躊躇われた。同じ部屋の中にいるのに、意識しすぎて疲れてくる。  僕が激しい行為で身体は疲弊してして、最初の晩は慎也のベッドで一緒に眠った。  前までは鍵の掛けられていた慎也の寝室。改めて見渡しても僕の使っている部屋と変わりなかった。  緊張に眠れないかという心配もなく僕はぐっすりと眠ってしまった。翌日には動けるようになった僕は慎也に緊張にしてよそよそしく接してしまった。  激しく求めあったことが恥ずかしくて、どうにも今までのように接することができなかった。  だけど、3日過ぎて慎也が仕事に行くようになると普段通りになっていた。  まるで何も無かったかのように。3ヶ月の猶予をどうやって使うかを話すと言っていたのに、「ここから出るな」「異変があったらすぐに言え」としか言われなかった。  仕事に行った慎也を見送ってひとりになって緊張を解いて溜め息を零した。  慎也はいつも通りの態度のだけど、盛り上がる会話も無くて重い空気の中で緊張していた。  ここから出るなっていつまでだろうか。抑制剤はあの時に飲んだきりで使っていない。  ソファーに座って慎也の書斎から取ってきた建築の本を広げても、集中できない。  ソファーから見つめるのは慎也の寝室のドア。  甘い匂いとαのフェロモン。熱いほどの口づけと、撫でる指先。  発情して過敏になった身体に触れた慎也を思い出して、自分の両肩を抱き締める。ぎゅっと目を閉じて気持ちを抑える。  発情期を待たれている。

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