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それからそうなるように2

 番になるために。  慎也の気持ちは分からない。後継者問題でαを産めるΩが必要なだけかもしれない。無理矢理に作らされた子どもの事も一因かもしれない。  『好きな設計さえできればいい』と智春は言っていた。僕と番になっても、その後は?  夫婦としてやっていけるのか。  運命の番なんて、きっかけにしか過ぎない。惹かれ合う運命だとしても……。  できることなら……愛されたい。  あの情熱が、欲望が、愛であったなら。  迎えることの無かった発情期。何がきっかけなのかも分からないし、次はいつかも分からない。3ヶ月の間に来るかも分からない。  発情期じゃなくても慎也は抱けると言ってくれた。発情期が来る前に僕を抱いてくれた。求めてくれた。  それはもしかしたら……。期待してしまう。  ぐるぐると答えのない思考に捕らわれる。答えが出るのも怖い。  昼前にやってきたハウスキーパーは昼食と夕食を用意して掃除も済ませるとすぐに帰って行った。  慎也が帰ってくるのは午後8時を過ぎてからで、穂高も一緒のことが多い。穂高は翌日のスケジュールと迎えにくる時間を伝えて帰って行く。たまに夕食を食べていくこともある。 リビングでテレビをつけたまま会話もほとんどなくて、緊張していた。  この間出させてもらえなかった時とは状況が違う。気持ちは少なからず通じて、発情期だって迎えて、番になることを我慢した。  そろそろ慎也が帰ってくる。  時計を気にして落ち着かない。ハウスキーパーの用意していった夕飯を温め直す。  用意されている慎也のいつも使う皿と、セットになっている来客用の皿。僕用の皿を用意しようと言ってくれた。それは僕を受け入れてくれたってことなんだろう。

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