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第5話
「ほら、蘭!着替えないとシャツ皺になるぞ。」
慧は一人暮らしだ。
と言う俺も一人暮らしなんだけど、何となく自分家より慧の家の方が居心地が良くて良く泊まりに来る。
慧の家に着いてベッドに寝転がろうとした俺を慧が止める。
本当にこういう時慧がお母さんに見えてくる。
ちゃんとした母親が居たら俺もこんな事を言われていたのかな…?
「らーん。ほら、いつもの服」
そう言って渡されたのはいつも慧の家に来ると着ているTシャツ。
勿論俺のじゃなくて慧のだ。だから俺には大きくてダボッてなる。
「あ、いい匂い…」
「お、気づいた?この間買い物行った時蘭が好きそうな柔軟剤あったから使ってみたんだよ。どう?」
「うん、好き、でも慧の匂いの方がもっと好き。」
慧の家が居心地が良いのはきっと慧の匂い関係してるだろう。
この家は慧の匂いがいっぱいする。
家にいるだけで慧に包まれてるみたいだから落ち着く。
「あー、うー、蘭さん?煽ってる?」
慧は何でかその場にしゃがみこんで頭を抱えて唸ってる。
慧の言っている事がいまいち良く分かんないけど…
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