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いつもの朝 ②

 亜貴はちっちゃい。確か、165センチあるかないかやったと思う。男なのに、伸びひんっ!!と中学校の頃は悩んでいたが、もう半分諦めたようで、最近はあまり身長について触れてくることはなかった。  それに比べて俺は、なぜか止まることなく身長が伸び続けている。現在185センチぐらい。小さい頃からバスケをしているがそのせいだろうか。この長身のおかげかバスケもそこそこ上手くなり、大学へのスポーツ推薦も可能だと言われた。  ただ、自分でも言うのもなんだが、勉強もなかなかにできたので、スポーツ推薦なしでも選べるぐらいには行けそうな大学はあった。とりあえず今は、地元の大学への進学を考えている。  しかし、この身長でいることはいいことばかりでもない。それは、この、幼馴染みのちっちゃい男のせいだ。  亜貴は身長に釣り合うような可愛らしい顔の持ち主だった。まるで女みたいに。俺の初恋の相手が亜貴だったことも納得できるぐらいに。  幼稚園の年長辺りになって、亜貴は男だと親から聞いた時の衝撃とショックは半端なかった。その後3日間ぐらい熱出して寝込んだぐらいのダメージやった。  幼稚園のみんなや先生ですら、『アキちゃん』言うてたし。うちの親やって、『アキちゃん』言うてたし。女の子みたいに可愛らしい顔、という理由で亜貴は当時『アキちゃん』と呼ばれていたのだ。  そして素直な俺はそれを女の子やから、と何の疑問も持たずに受け入れていた。

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