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いつもの朝 ④

 そう言われたり、扱われたりする度に。俺が必死になって抑えている亜貴への気持ちを自覚させられて。どうしようもできないことを思い知らされる。  これは俺にとっては地獄だった。  やって。亜貴は男だし。こいつは俺の気持ちなどこれっぽっちも気づいてないだろうし。それに亜貴も結構モテた。彼女が途切れたことはほぼない。普通に男として順調な人生を歩んでいる亜貴に、悟られてはなるまい。そんな邪な感情で接したらあかんやろ。そう思った。  だから、その後も一応努力はしてきた。邪な心を取り除くことはできなくても。距離を置くことはできなくても。幼馴染みとして、友達として傍にいるために。亜貴にこの気持ちを気づかれないように、誤魔化すために。  俺は、何人もの女と付き合った(長続きはしなかったけど)。彼女たちには申し訳ないと思うけど。これしか、今の俺には亜貴との距離を上手く保てる方法が見つからなかった。 「洋介?」  目の前に亜貴の顔。 「おわっ。なんやねんっ」 「何って……。ぼけーっとして反応あらへんから」 「……朝、弱いからな」 「相変わらずやなぁ、洋介は」  あ、もうヤバいで。遅刻や。亜貴が部屋のデジタル時計を見て洋介の腕を掴んだ。 「ほら、行くで」 「おん……」  半ば引きずられるように階段を下りる。母親に声をかけて外に出た。

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