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★青の章18
クロはぬるりとホンの体に身を寄せると、下っ腹を撫で上げ、そっとホンの耳元で囁いた。
「さあ、教えただろう?ここに力を入れて、あいつを征服したいと念じるんだ。そうすれば、あいつはヒーヒー言って股を開くぞ。早く首を噛んでお前のモノにしてしまえ」
途端、先程の腐った果物のような匂いが部屋中に充満し始める。ホンの支配フェロモンの香りだ。葵はまたしても四肢に力が入らなくなり、ドサリとその場に倒れ込んだ。ホンを見上げると先程より虚ろな瞳で檻の鍵を開けている。
(クソ!!肝心のフェイロンを助けに行く方法もまだ分かっていないのに!!こんなところでっ!!)
「もう少し大きい檻を用意してやりゃあ良かったかな?まあ、これだけこいつのフェロモンが効いてりゃ大丈夫か」
葵が指一本さえ動かせなくなったのを確認して、檻の外へ引きずり出された。そのままホンに下履きごとズボンを脱がされる。
性急なホンの動きに葵は恐怖で引きつったが、同時に葵の意思とは反対に肌が粟立ち、熱を帯びてくる。
その様子にクロがククッと喉で笑いながら顔を寄せてきた。
「本当に因果な身体に生まれ変わりましたね。そんな身体に生まれなきゃ良かったのにーー」
そう言うと、クロは人間にしては長すぎる舌を強引に葵の口の中に入れ込んでくる。
喉の奥の方まで伸びてくる舌に苦しくてむせそうになるが、そのままクロは貪るように葵の口中を自分の舌で舐め上げて蹂躙する。
「んん、ぅ、んーー!」
濃厚ない口づけに、口の端から涎が首筋に流れるのが自分で分かる。葵の意思とは相反して、身体の奥にある熱がどんどん高まっていく。
「んふ、こんなの何が楽しいんだろうって王様とあんたの事見ていたとき思ってたけど、確かにこれは気分がいいなーー」
ペロリと自分の唇を舐めながら、クロは冷静に呟いた。その間にもホンは荒い息をつきながら葵の秘所に手を伸ばす。
長い指を後ろの窄まり宛がうと、既にぐっしょり濡れていたそこは驚くほどすんなり侵入を許した。
「っあーー!!ひあっ!や、だぁぁ……!」
ホンの指は濡れた内部を掻き乱すように動く。
葵は感じたくないと思いつつ、指で奥の熱を掻き回される度に、どうしようもないほど感じる快感に身もだえた。心と体があまりにもバラバラで頭が沸騰しそうだ。目が熱くなり視界がぼやける。それでも、ホンの指先に翻弄される自分が憎らしい。
(この身体で生まれた事が辛いなんて、もう思いたくないのにーー)
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