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想いが溢れて 6

 その次に舌先は乳首の周りのをくるくると回って。  「や、ん、そんなとこやだ……」  もう片方の乳首も、長い指先がくにゅっと刺激して、あっと思った次には、舌先はその乳首をぺろんて舐めた。  指先は最初に舐めた方をきゅっと摘み上げた。 「ひゃ、あ、ん」  他人に触られたことなんかない場所なのに、変な感じがする。すごく、先っぽが敏感になってじんじんする。 「めっちゃやわらかいな」  ちょっと五藤くんの声が興奮してる気がする……僕の乳首に興奮してるの? 僕はぼーっとした頭で思った。  しばらく先端をよける愛撫に、じれったくて無意識に胸を突き出してしまう。  なんか、先っぽ、触ってほしいなんて、変……。 「こうして欲しいのか?」  舐めるどころか、痛いくらい乳首をちゅうちゅう吸われる。 「あっ!……あっあ」  もう片方は強くつまみ上げられて、僕はいっそう強く口を覆った。そうしなければ、とんでもなく大きな声が出ちゃいそうで。 「やわらかいのが、硬くなって、立ってる」 「あっや、だ……」  目の淵に涙が溜まって、今にも頬をつたいそうだ。下肢にも熱が伝わり、むずむずする。気持ちよくて涙が出るなんて、初めてだ。 「やっ、ああん」 「おい、泣くほど気持ちいいのか」 「きもち、いい……」  瞬きすると、ポロッて涙が零れ落ちた。  目蓋を開けると、五藤くんは意地悪そうな笑みを浮かべてる。でも、彼の瞳だって潤んでるし、なんていうか、すごくかっこいい……。  もう何を言われても平気かも。だって、五藤くんは僕だけを見てる。  「俺も、おまえが好きだよ」 「五藤くん……」  こんなに色っぽい眼差しで見つめられて告げられたら、身体がとろとろに溶けちゃいそうだ。  でも、肝心のそのセリフを言う前に色々エッチなことされた僕は、拗ねた気持ちも少しある。 「もう……言ってくれないのかと思った」 「ごめん。可愛すぎるから、ちょっといじめたくなった」  そう言うわりには、その眼差しは優しすぎるけど。 「いじわる……」  僕はぷうと頬を膨らませた。五藤くんは少し驚いた顔をしてから、僕のほっぺたをさらりと撫でた。 「だから、おまえが可愛いすぎんのが悪いの。好きな子はいじめたくなるもんなんだよ、男子ってのは」 「好きな子」って、僕のことだよね……?  僕は胸がいっぱいでたまらなくなって、傷口に触らないように五藤くんの首に腕を回して抱きついた。 「五藤くん大好き!」 「俺も」  五藤くんも抱きしめ返してくれて、嬉しすぎて、はああ~ってため息が出た。大きな手の平が、僕の背中をポンポンしていくれる。(こんなところはやっぱりお父さんみたい)(怒られそうだから言わないけどね) 「なあ、キスしたい」 「へっ」  そんなこと言われてドキドキして、僕はおずおずと抱きついていた身体を離した。すぐに、チュッってキスを落とされる。  またさっきみたいなエロエロのキスされちゃうのかなって僕は期待に胸膨らませていたのに、すっと顔を離した五藤くんが、 「……つっくんには、大人のキスはまだ早かったかな」  とか、そんな意地悪なこと言った。 僕だって、一応女の子とお付き合いはしたことくらいある。けど、さっきみたいに、唾液が糸引いちゃうような濃厚なキスは五藤くんが初めてだけど。  でも、僕は二十四歳だもの! 大人だもの! 「僕だって出来るもん! 大人のキス、し、知ってるもん!」  なんて、つい宣言してしまい……。    しまった、と思ったときは遅かった。    再び僕は、悪い顔で笑った五藤くんの舌に口の中を好き勝手されて、誰かが病室をノックするまで、それは延々と続いて。  ようやく開放された後も、腰が抜けて、しばらくは立ち上がれなかったのだ。  高校生のくせに! 五藤くんのテクニシャン! エロ魔人~!  でも、ヘロヘロになった僕の耳元に「おまえは三樹と同じじゃない、特別だからな」って囁いてくれたから、許しちゃうんだけどね。    

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